smiley smile

いつも笑顔で歩く道

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ありがとう

こんな汚れてしまったアタシに


こんなに優しいコメントをくれる


そんなみんなが、愛しいって感じた


アタシは恵まれてる


ほんとに心のソコから思った



非難されることを覚悟しながら


毎日書き続けていた連載。


連載の終わりが近づけば近づくほどに


怯えていた毎日


最後まで・・設定することを拒もうと思った
コメント欄



あとがきで設置したコメント欄は
非難を覚悟してのことだった


どんな気持ちを抱えようとも。


アタシがしていることは、非難されて当然のこと。


そんな非難を、受けてたとうと覚悟を決めていた。



なのに。



みんながくれたコメントは、アタシの気持ちを
優しく包んでくれるものしか、見当たらない。


みんなきっと、非難したい気持ちを抑えて
このコメントを書いてくれてるんだと感じた


そんな優しさに。


心のソコから、ありがとうm(_ _)m




この連載の、本当の結末。


それを書く頃には、ボロボロになってるかもしれない。


そんな時に。


またみんなと、ココで会いたい。


そう思いながら、暫くお休みします^^

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2007-10-28 | spiral | cm : 5 |

spiral あとがき

どんなときも



アタシは好きという感情に堪えることが
強さだと思ってた



間違った道を歩きそうになった時



どんなときだって



思い描いた理想の道から、外れることを恐れ
ただ、強引に突っぱねてきた



自分の素直な感情を押し殺す



それが強さだと思ってた



そんなコトが出来る自分は、強い女なんだと
誇りさえ持っていたはずだった。



実際は・・惚れてしまったなら、そんな強ささえも
脆くも崩れ去ってしまう自分を、知らずに生きてい
ただけだった。



物語はまだ終らない。



理想の結末とは、程遠い物語



これがこの物語の結末で。



どうしようもない矛盾を抱えながらも
あの人を想うアタシがいたせいで。



今はただ自分の弱さに直面している。



あの人の手を振り払えない弱さに。



理性と本能がぶつかりあった時
込み上げる感情は言葉にできない。



流れ続ける涙の理由や感情を、言葉にしようとすればするほど
陳腐な表現しかできない自分に もどかしささえ感じていた。



書けば書くほどに、苦しくなっていった毎日



こんなはずじゃなかった・・



そう思いながら、今締めくくるべく
「あとがき」を書いている。



アタシはただ待ってるだけ。



いつか訪れる「さよなら」を。



今はそれしか出来ないアタシがいる



アタシの人生は、どんどん乱れ 荒れ狂う



遠い昔の 彼との別れ



それが はじまりだったのかもしれない



あの頃の連載を読み返してみた



遠回りしているからこそ、きっと大切なことに気づいてる
そんな自分に誇りを持って、自分らしくあればいい




そんなセリフを書いていたあの頃



あの日のアタシは、苦しみもがきながらも
必死に立ち上がろうとしていた



あれから、本当にいろんなことがあって。



あの日のように、また誰かを愛したい。
そう強く思ってみても。



気づけば、誰のことも愛せなくなっていた。



恋をすることさえ出来なかった3年間は、辛いものでしかなく。



3年ぶりに恋したと思った相手でさえ、別れた後に
どこが好きだったかさえ思い出せず、虚しさだけが残った



大介と別れて4年が経ち、いつも心のどこかに彼がいることを
感じながら、もう二度とあんなふうに人を愛することなんて
出来ないような漠然とした不安があった中で。



あの人と出逢い、まだ人を愛せる自分を知った。



あの人の思いを知った あの日から。



それが、ただの不倫だという現実



遠回りしすぎて、大切なこと見失って。



誇りなんて持てずに、自分らしさが何なのかさえも
もうわからない。



太陽の下、堂々と手を繋いで歩くことも出来ないアタシたちは
出来ないことへの切なさを抱え、お互いを労わることで
絆と信頼を深めていこうとしてる。



今まで誰と付き合っていても、ほとんど口にすることなどなかった
不安や自分の気持ちを、あの人の前で口にしている自分がいて。



言いたいコトを言うあの人の前で、自分の言いたいことを
口にしているアタシがいる



自分の鎧を脱ぎさって、ありのままの自分をぶつけていても
いいんだという安心感に包まれているのは、あの人の想いを
常に感じていられるからなんだろう。



あの人が言う言葉に、涙を流しながら笑ってるアタシがいて。



アタシが言う言葉に、お腹を抱えて笑ってるあの人がいて。



時に文句を言い合いながら。



まるで・・仲の良い親友のような、この関係に。



満たされない想いを抱きながら、それでも満たされているような
矛盾した毎日。



日に日に2人の絆が深まっていくのを感じながら、
それと比例して・・別れが辛くなる現実に気づいている



仕事は仕事だと・・正社員の道を選んだアタシに
どれだけ厳しい現実が待ち受けているだろう。



アタシの人生はまるで滑り台。



一歩一歩踏みしめながら、太陽に近づいた時
あの人の手を取って、簡単に暗闇へすべり落ちてしまった



けれど・・そんな道を選んだのは、アタシ自身。



アタシは忘れてない



家族を壊せない・・そう言ったあの人の言葉を。



きっとあの人も、忘れていない



アタシが誰かと出逢うために、出逢いの場へ行っていることを。



一緒にいようと決めた現実逃避の裏に、それぞれの現実が
あることを。



お互いのズルさから、目を逸らさずに。



気づかないフリをし続ける弱さから
目を逸らさずに。



もっと楽に生きられたなら・・そう思いながら、それが
出来ない今のアタシは、弱さを抱えながら歩く強さを、育て
ていくしかないんだろう。



現実から目を逸らさずに、真っ直ぐ前を見て歩くことから
逃げ続け。



現実から目を逸らして、立ち止まることに怯えながら。



それでも何かを手にしたいと、闇の中手探りに光を探し
もがきながら。



いずれ訪れる、この物語の本当の結末を。



ただ待っているアタシがいる。



あの人と共有する時間



こんな儚い幸せは



いつか闇の中へ姿を消してしまう



きっと跡形もなく・・。




ただ・・アタシの心には残るかもしれない。



線香花火の儚い光と

心を抱かれた あの夜が・・。



それとも・・。



思い出さえも色褪せるほどに、深く刻まれ
ていく傷跡が・・?



そんな日をただ 待っているアタシがいる



今日も。



きっと明日も。



弱さを抱えて、歩いてくアタシがいるんだろう。



それでも。



一緒にいられる限られた時間と、あの人を。



今はただ・・・愛していたい

2007-10-24 | spiral | cm : 7 |

spiral 最終話

あの人と出逢って10ヶ月



そして。



あの線香花火の夜から、2ヶ月が経った今



あの人に会う前日のメールで・・

「早く明日にならないかなぁ。」



そんなふうに、今まで言ったこともないセリフを
素直に口にしているアタシがいる



あの人の想いを感じた、あの夜からだった。



想っていることを素直に言って、重い女だと思われる
ことがイヤだというプライドから、一度も口にできな
かった言葉を。



軽く見られたくないくせに、重いと思われるのもイヤで。



結局は臆病な心を、プライドという鎧で守っていた自分
に気づいた



気づいた・・というより、とっくの昔から知っていたけれど
着飾るはずの鎧は、いつのまにか下着のように、なくてはなら
ないものになっていたんだろう。



あの夜から、アタシの中でいろいろな変化があった。



「オレ、禁煙はじめたんだ。お金貯めようと思って・・」



手を繋いで歩きたい・・と言いながら、高速を飛ばして、他県へ一緒に
デートへ出かけようとするあの人がいる。



お小遣いがお給料の1割で少ないからと、日曜の休出を増やし
禁煙もし・・頑張るあの人がいる



1日に2箱も吸うヘビースモーカーだった あの人が・・。



2人の絆は・・絆を深めたくないと思う気持ちに逆らい
徐々に深まっていくのを感じた



そんなあの人に戸惑いながら。



ただ耐えて、尽くして・・そんなふうに自分が頑張る恋愛しかしてこな
かった過去を振り返るようになっていた。



言わなくてもわかってよ・・そう叫んでいたあの頃のアタシを。



今まで付き合ったどの男たちも、束縛さえもしない男ばかりで。


もちろん、アタシも同じだった。


それを口にすることで、嫌われることを恐れるあまり
お互いに格好つけた恋愛をしていたのかもしれない。



言いたいことや文句は言えても、不安な心までは口に出来ない。
そんな恋愛しかしてこなかったことに、改めて気づいた。



それなのに・・アタシを束縛しようとするあの人がいて。



自分が傷つくことを恐れ、必要以上に距離を近づけることを
拒んでいるアタシに・・・いとも簡単に不満や不安を口にする
あの人がいた。



「会いたいって言ってくれないから、オレから会いたいって言わなきゃ
会えないし、メールも送らなきゃ届かない。

好きなのはオレだけなのかな・・と思うと、時々毎日頑張ってる
ことに疲れを感じる時があって。

でも頑張らなきゃ、離れて行ってしまうと思うと、やっぱり
頑張るしかなくて・・。」




お互いに好きであれば・・不安なのは自分だけじゃない。
そんな当たり前のコトを、教えてくれるあの人がいる。



アタシはいつも、自分の不安を取り除いてもらうことばかり
考えていて、相手の不安を取り除いてあげよう・・なんて
考えたこともなかった。



言わなくてもわかってよ・・なんて、自分のことしか
考えていない恋愛をしていたんだと感じた。



あの人は・・こうしてアタシに不満をぶつけながら
時にワガママを言いながら・・アタシに伝えてくれる。



それはとても、わかりやすく。



そして・・とても人間らしい感情だった。



どっちがワガママなのか・・なんて考えたなら、口にせず
心に不満を溜め、わかってくれと思っているコトのほうが
よっぽどワガママなんじゃないかと思えた。



アタシの胸が小さすぎる・・と、思ったコトをすぐ口にして
アタシを傷つけるところも。


あの人のブサイクな顔も。


少し生えた胸毛も。


スグ汗をかいてベトベトする手も。


仕事中ヘルメットを被った後に匂う 頭の臭さも。


アタシの気持ちなんて考えてない、ワガママなところも。


イヤな所なんて、挙げたらキリがないけれど。



アタシが持ってなかった人間らしい素直さに
どーしようもなく惹かれてしまったアタシがいる。



自分の気持ちをちゃんと伝えたり、行動に示すこと。
そんな当たり前のコトを当たり前に出来なかった自分がいて。



はじまってしまったあの夜から2ヶ月が経った今も。
アタシを抱こうとしない あの人の優しさを感じながら。



変わっていくアタシがいる。



自分からメールを送り、気持ちを素直に伝えるようと
努力しようとしているアタシがいる。



ただでさえ傷つけ合ってしまう関係なのだから、出来るだけ
傷つけないようにと・・優しい言葉で想いを伝えようとする
アタシがいる。



あの人がアタシにしてくれるように。



自分の思っている事を素直に伝えながら、相手のことを思いやる
恋愛をしていきたい。



あの人が、アタシに教えてくれたように。



いつか・・・あの人と離れた後も、そんな自分でいたいと思った。



そう思えたのは、あの人のおかげなんだろう。



アタシは、普通の恋愛がしたかった。



なのに・・この恋が、ただの不倫だという現実に押しつぶされ
そうになるだけだった毎日に。



こんな関係で、マイナスしかないと思ってたアタシだった
けれど・・今やっと出逢えたことに感謝できるアタシがいる。





それでも。



心の中のいろんな想いは、今もこの胸で乱れてる。



こんな形で最終話を迎えるつもりなんて、なかった。



でもこれが現実で。



アタシは忘れない。



終わりが確実にやってくることが、はじめからわかっていながら。



理性に背反し、この道を歩こうと決めたのは、他の誰でもない。




アタシ自身だということを。



おわり

2007-10-23 | spiral | |

spiral vol.55

家に帰り、今まであの人と交わされた会話を
思い出していた



「ねぇ、知ってる?オレ半年も毎日欠かさず
メールしてるんだよ?

リオからメールが届いたのなんて、たった2回。
それも思い出せないほど、ずーっと前のことだし。

なのに、メールの返事いつも遅いし。。。

オレ楽しみに待ってるのに、やっと届いたメールは
返事短いし。」




10分程度しか待たせてないにも関わらず
アタシの時間までも束縛しようとする あの人がいた。



「明日は何してるの?」



会った日、翌日の予定を聞いてくるあの人に
飲み会へ行くことを伝えれば・・



「やっぱり明日も会いたい。終ったら迎えに行くよ。
てか・・迎えに行かせてください」




そう言って聞かないあの人がいた。


早く彼氏作れよ・・と言いながらも、行動は
矛盾だらけだった。



あの人から聞かれない限り、自分の予定を言わない
アタシがいて。



「なんでいつもオレが聞かないと、言わないの?

聞いても「友達と遊ぶ」って言うだけだし。
そりゃ名前聞いても、誰かわかんないけどさ。

でも、休日何してるとか、誰と遊びに行く・・って
話だって、オレは聞きたいし、何でも知りたいよ」




そうやって、アタシの行動を何でも知りたがり、文句を
言うあの人に、半ばキレ気味に言った



「アタシは、休日の話なんて聞きたくないよ。
それでも、アタシの予定が聞きたいなら全部言うね。

来週は金曜日に飲み会行くの。

土曜日は同じ会社の○○君たちに誘われたからゴルフ行くし
再来週は、前に飲み会で会った人にデートに誘われてる。

同年代の女の子は、ほとんど結婚していて
20代の頃みたいに女の子とばかり遊んでた楽しい休日なんて
ほとんどない。

それでも聞きたい?」




「やっぱり・・2人でデートするって話だけは聞きたくない。

それに・・飲み会は仕方ないって思うけど、本音を言えば
言ってほしくないよ・・。

同じ会社のヤツらとなんて、もっと行ってほしくないから
行かないでよ」




アタシは・・家に帰らないでと叫びたい気持ちを、絶対に
言ってはいけないセリフなんだと我慢しているのに。



平気で行かないでと言えるワガママなあの人がいた。



出逢った頃も。



2人ではじめて会った日も。



あの人の言葉なにひとつ、信じたくなくて
否定して冷静になろうとするアタシがいたのに。



いいコトも、イヤなコトも、思ったことをスグ口にするあの人がいて。



一緒にいて居心地がいいと感じたのは、裏表なく飾らない
ストレートな性格だったからで。



本当は、あの人の気持ちに気づきはじめている自分に
気づかないフリをしていた。



自分が傷つきたくないばかりに、あの人を傷つけるような
言葉を口にしている自分自身にも。



はじめは傷つくことも怖くて、あの人が離れていくことを
考えるだけで怖かった。



いつからか、そーなることを期待していた。



否定することで、あの人がいい加減な気持ちであることを
どこか期待するようになっていた。



否定するほうが、ずっと楽で・・・それを認めることは
苦痛でしかなかった。



あの人を想う気持ちは、あの日大介を想っていた日の
気持ちと重なっていて・・。



割り切れない自分


欲張りになっていく自分


傷を負い続ける自分


それでも我慢して耐えようとする自分



それはまるで、あの日大介に浮気をされた時に抱いた感情
「嫉妬」に押しつぶされそうになる自分だった



好きなのに、「嫉妬」に押しつぶされて苦しくなって。



自分が我慢すればいいんだと・・不安さえも口に出来ず
どうしようもなく好きなのに、上手く笑うことさえ出来ずに
信頼さえも出来なくなっていった あの日のアタシと。



あの日を繰り返すようで、怖かった。



立ち直れないほどに打ちのめされた、あの日を。



こんな関係に・・感情なんていらない。



クールな割り切った関係

たださびしさを埋めるためだけの。

ただ・・現実を逃避するためだけの。

ただ・・欲を満たすためだけの。



それが、不倫なんだと思ってた。



それなのに、本心でぶつかってくるあの人がいて。



彼氏でもないのに・・言動はまるで彼氏と変わらない
あの人がいて。



割り切ったクールな関係のはずが・・全然割り切れて
ない、あの人がいて。



きっとアタシは・・。



あの人の想いを否定することで、自分の気持ちを
セーブしたかっただけ。



結局アタシが一番怖かったのは、アタシを傷つけるあの人じゃなく。



あの人に惹かれていく自分自身だったと、気づいた。



つづく

2007-10-21 | spiral | |

spiral vol.54

いろんな想いを抱えながら、あの人に会った。



触れ合うことは簡単で。



ただ・・アタシが頷くだけでよかった。



そして、あの人に抱かれた



その表現も、なんだか違う気さえする



赤裸々に言ってしまえば・・。



1つになったまま。



ただ・・抱きしめられていただけだった。



あの人は自己満足させる行為をせず・・



「ずっと・・このままこうしていたい。」



そう言いながら、ただ優しく抱きしめてくれただけだった。



長い間ずっと。



もう時間が遅いから帰らなきゃ。

そうアタシが口にするまで、ずっと。




それは初めての経験だった。



抱かれた・・とは言わないのかもしれない。



抱かれた・・と言うのかもしれない。



アタシにも、よくわからない。



「オレはリオが好きだって、何度も言ってる。
でもリオは、何も言ってくれないんだね・・」




そう・・切なそうに言いながら、抱きしめるだけのあの人に。



言葉だけじゃなく、自分の快楽を求めなかった あの人に。



体じゃなく、心を抱かれているような気がして
泣きそうになった。



こんな関係でいる限り、傷つけ合ってしまうことを
避けられない中で、あの人はアタシの心を傷つけない
よう本能を抑えていた



その気持ちに、恋に対して氷ついていた心が
熱くなるのを感じた。



どんな言葉よりも。



あの人に想われていることを 感じた



騙された自分が・・あの人に惚れた自分がバカだったと・・
バネにして、這い上がろうと思えるはずだった。



なのに・・あの人の想いを感じてしまった。



傷を負わない変わりに、ただどーしようもない感情だけが
溢れてしまった。



傷つけてくれたほうが、まだよかった



あの人の想いなんて、知らないほうがよかった。



あの人が、もっとイヤな男だったならよかった。



あの人が、いろんな女と遊んでる男だったらよかった。



アタシは、あの人の想いを否定し、傷つくことに
怯えながらも・・



本当は傷つくことで、あの人から離れたかった
だけなのかもしれない。



でも・・本当に傷つけられていたなら
もっと違う感情が沸いていたんだろうか。



結局アタシは・・



傷つけられることも。



あの人の気持ちを知ることも。



こんな関係でいる限り、どっちも辛いことでしかないと
いう現実に、ただ打ちのめされるだけだった



つづく

2007-10-20 | spiral | |

spiral vol.53

アタシは・・あの人に抱かれる覚悟を決めた



もう何度も2人で会っていたけれど、これ以上は交わし
続けられないだろうと思っていたせいでもあった。



抱こうとしないあの人がいたけれど。



そんな雰囲気になりそうな時、クールな態度を貫いていたアタシが
居たせいで、手を出せずにいただけなんだろう。



ただ、あの人に抱かれることが怖かったせいで。



抱かれた後に、あの人の言葉全てが嘘だったと知ることが
怖かったせいで。



でもアタシは知ろうと思った



触れ合った後で、あの人がどう変わっていくのかを。



それを・・知りたいと思った。



傷を負うことで、アタシはあの人への想いを
断ち切る決意ができるんじゃないかと思った。



それを考えるだけで・・不安に怯える



あの人の態度が冷たく変わっていくかもしれない。



アタシから離れていってしまうかもしれない。



リアルに想像すればするほど、言葉にならない
想いが込み上げる。



でも・・それならそれでいい。



ずっとこのままでなんて、いられないのだから。



その時期が遅いよりも、早いほうがいい。



所詮アタシは、ただの浮気相手なのだから。



まるで自分に言い聞かせるように、心の中で
何度も繰り返すアタシがいた。




今振り帰ると、アタシが本当に知りたかったことは
なんだったのか・・・わからなくなる。



あの日のアタシは、確かに真実を知りたいと思っていて。



あの人に惹かれていく自分の気持ちと、ずっと一緒に
はいられない現実との狭間で、身動きできずにいる
自分をどうにかしたかった。



傷つけられて離れることに期待をしながらも、そーやって
離れてしまうことへの恐れを抱き。



傷つけられないことに期待をしながらも、このまま一緒に
いることへの恐れも抱き。



想いは複雑すぎるほどに絡み合っていた。



ただ今は・・・。



知らなければよかったと・・・
そう思っているアタシもいる。



つづく

2007-10-19 | spiral | |

spiral vol.52

家に帰宅すると、既に2時になっていた。



眠れないまま、3時半を過ぎようとしていた頃。



あの人からメールが届いた



それは、デコメで飾られたメッセージ付きのバースデー
メールだった。



-直接おめでとう・・って言ってもらったのに、また
メールくれるなんて嬉しかったよ-




そう言うと、あの人が言った



-記憶の中の思い出だけじゃなく、祝福してあげれた・もらった
形が残る様に(メールだけど)送らせてもらったw

自分でデコメつくったから、時間かかっちゃったけどw-




いつも2時過ぎに寝てしまうあの人が、時間をかけて
つくってくれたことを知った



でも、形に残したかった・・その意味がアタシにはよく理解
できなかった。



だって・・。



アタシたちは記憶の中にしか留まれないのだから。



そう思いながらも、メールを保護している自分への
矛盾を感じていた。




そんな毎日の中で。



あの人へメールを送信しようとするアタシがいる。



-もう会わない-



たったそれだけのメールを、送れないアタシがいる。



晴れ渡る清々しい休日の公園で。



家族連れを見て、あの人の姿を重ねながら
どーしようもない感情に溺れる日も。



忙しさに現実を忘れられるはずの仕事中でさえ
あの人の書類を目にする度、言葉に出来ない苦しみに
襲われる日も。



1人くつろぐ自分の時間さえ、CMで流れる場面や
子供の姿



ありとあらゆる場で・・それは・・確実にアタシを
襲い、現実から逃げられない現実を知る。



紙で指先を鋭く切った後のように、少し触れる度に
傷の存在を感じるような毎日



ソコに確かにあることを、いろんな場面で主張するほどに
存在感のある傷は、カサブタになることもなく、ただ深くなり
痛みを増していくだけだった。



それなのに。



アタシは・・・あの人のコトが好きで。



たった一言のメールでさえも、送れない。



一緒にいる苦しみと、離れた時の辛さと。



どっちが一時的な感情なのかなんて、頭ではわかっていても。




いつか、終らせなきゃいけない恋だって、わかってる。


いつか終らせるつもりなら、今終らせればいいでしょ?


それでも、今は一緒にいたい。


今終らせられないのに、いつか終わらせることなんて出来るの?


あの人が・・終らせてくれるのを待ってる。


自分から・・終らせることが出来ないのなら、捨てられるだけ
なんだよ?



そんな・・まるで1人2役のような理性と本能



そんなことを繰り返す日々



アタシは・・自分の素直な気持ちをあの人に伝えた
ことがない。



気持ちはドライになれないし、割り切れるほどクールでも
ないアタシだけれど。



自分の気持ちなんて、最初に好きだと軽く伝えた日以来
口にしたこともない。



自分から抱きつくこともしなければ、キスすることもない。



あの人の前にいるアタシの態度は
自分でも呆れるほど、どこまでもクールだった



本当に深入りしたくないのは、体じゃない。



一番深入りしたくないのは、心だった。



自分の想いを、あの人にさらけ出す必要なんてない。



押さえ切れない感情を、さらけ出したところで
ただ傷が深くなるだけだ。



あの人の言葉を、全て真に受ける必要なんてない。



そう自分に言い聞かせながらも、あの人と一緒にいる
居心地の良さを感じれば感じるほどに・・



1人の夜が苦しくなっていく



つづく

2007-10-18 | spiral | |

spiral vol.51

一緒にいよう・・・そう決めた。



何度もキスを交わした。



それでも・・これ以上深入りすることを
怖いと思っているアタシがいた。



そしてまた、アタシを抱こうとはしない あの人がいて。



何度もキスをしては、優しく抱きしめるだけ。



月明かりに照らされた、静かな夜



そんな雰囲気の中、お互いに好きだと打ち明け
キスをしながら・・アタシの髪を撫でながら・・。



抱こうと思えば抱ける女を、抱こうとしない男なんて
アタシは知らない。



だからアタシは言った



「なんで・・アタシを抱こうとしないの?」



「だって・・・」



「何?」



「・・・なんか・・大事にしたいじゃん。」



なにを大事に?



10代の女に言うなら、イザ知らず。



アタシたちは、もう誰から見ても大人で。



それなりに経験も重ねていて。



そんなセリフを言われるコト自体、なんだか可笑しかった。



そんな陳腐なセリフを口にしながら・・
無理して強がっていることも、わかってた。



そして・・自分に言い聞かせていた。



どんなに優しい言葉をくれようと、抱かれる前の言葉は
女を抱くための手段だということを。



真実は、抱かれた後に知るものだと。



そんなふうに男を信用していないアタシがいて。



まして結婚してるあの人の言葉を、真に受けて信じる
ことなんて出来なかった。



それでも、今まで付き合った彼氏に、そんな想いを抱いたこ
となど、ありはしない。



「付き合おう」そう決めた日から2人の間には
彼氏&彼女になる1つの約束ができる。



きっとアタシは、その言葉だけで、安心していられたんだろう。



でもアタシたちには、約束や、未来なんて、どこにもない。



触れ合うことに躊躇するような年齢でもない。



触れ合うことは、とても簡単で。



好きなら触れあいたい・・そう思う気持ちも当然ある。



それでも・・躊躇しているアタシがいる



そこまでドライになれないアタシがいる。



抱かれることが怖いわけじゃなく、抱かれた後の真実を・・
想像して傷を負っているアタシがいた



あの人のことが、ただ好きだったせいで。


「・・それだけ?」



もう一度聞いたアタシに、あの人が言った



「・・・体だけが目的だって・・そう思われたくないんだ」



アタシは何も言ってはいないのに・・。



そして・・またあの人が言う



「オレは、リオといると癒されるし、すごく楽しい。

例えばもし、オマエが男だったとしてオレがホモと呼ばれようとw

オレはリオの体じゃなくて、リオ自身を好きになったんだ

そりゃ男だから、抱きたいって気持ちも当然あるし、我慢もしてる。

でも、そんなことより、ただ、今はこーやって一緒にいられるだけで
いいんだ。」




あの人は・・アタシの心が読めるんだろうか。



アタシが心で思ったことを、時々変わりに口にして。



アタシが怯えていることを、まるで掻き消そうとするような
セリフを口にする



アタシが今まで、どんな経験をして。



どんな想いを抱えて。



そして、どれだけ男を信用していないのか・・なんて。



アタシは あの人に何ひとつ言ってはいないのに。



でも・・もしかしたら・・。



出逢った頃から、山猫のようなに威嚇する女だったアタシを見て
いて、男を信用していない女だってことを、見抜かれているのかも
しれない。



あの人と2、3回目に飲みに行った日に言った言葉



「あわよくば・・って思ってるの、わかってるんだからね!」



その言葉を、今でも憶えてるのかもしれない。



だからあの人は、優しい言葉を並べるんだろうか。



山猫を飼いならすために、エサを与えるのと同じように。



あの人の言葉なんて・・信じちゃいけないんだ。



口では何とでも言える・・そう思いながら、あの人の
言葉全てを、心の中で否定しつづけるアタシがいた




そうやって否定し続けるほどに、苦しくなっていく



つづく

2007-10-17 | spiral | |

spiral vol.50

結局、正社員の話は出来なかった。



「正社員の話はどーなったの?」


「まだ悩んでるの。だから・・・今はまだ何も言えない」



そう答えたアタシがいたせいだった。



あの人のことは関係なく、自分の歩く道は自分で
決めて歩きたいと思っているアタシがいる。



働く場所を決めることは、自分の生活を決めるぐらい
重要なことだと感じていて。



居場所を見つけたなら、その場所でとことん働きぬきたい。



今この年齢で、条件の揃った道は数少ないという現実。



そして・・定年になる両親を、面倒見ていくのは
自分かもしれないという将来への不安



そして自分が生きる道



我を通して1人で生きれていけるほど、裕福ではない我が家



自分が生きると同時に、守るべきものがアタシにはある。



そんな現実を突きつけられる年齢になってきたんだろう。



あの人の言葉に惑わされることなく、自分で考えて結論を出したい。



これは・・アタシ自身の問題なのだから。



余計な想いは話したくなかったアタシがいた。



無理強いして聞いこない あの人がいた。



そんなあの人に、感謝した。




あの人と、手を繋いで公園を歩いた



なんだか・・普通のデートをしているようで、幸せだった。



車に戻ってからも、他愛ないお喋りは続く



アタシたちは、くだらないコトを言い合い
涙を流しながら 2人で笑っていた



月明かりに照らされた 静かな夜の公園



辺りは数台の車が停まっていて



漂うのは なんだか静かで怪しげなムード




アタシたちの乗っていた車の窓は、全開になっていた



2人の笑い声だけが、響き渡っていると気づいた時



なんとも場違いな自分たちに・・また声を押し殺して笑った



ただ・・一緒に笑っているだけ。



どんどん・・仲良くなっていくアタシたちがいて。



飾らないあの人の前で、飾らない自分でいられる心地よさ



女友達と一緒に居るような居心地の良さがあって・・だけど愛しい人



今まで味わったことのない、そんな不思議な感覚を味わった



そんなアタシに、あの人が言った



「リオと一緒にいると不思議な感じがする。
友達みたいだけど・・でも大好きで・・・。

まだお互いに知らないことだらけなのに、ずっと前から
一緒にいるみたいな感じがする・・。

なんでだろう。まだ知り合って8ヶ月なのになぁ。」




自分の想いだけは、口にしないアタシがいる。



なのに、時々こーやってアタシが心の中で思ったコトを
変わりに口にする あの人がいる。



そんな居心地の良さを感じれば感じるほどに・・
離れられなくなりそうで、怖くなった



居心地がよくて。



一緒にいる安心感があって。



それでも・・あの人の顔がよく見えない。



儚い月明かりに照らされて、一瞬見えた顔は
夜の闇に覆われて・・すぐに見えなっていく



アタシたちの居場所は、闇の中



そんな現実を知った



つづく

2007-10-16 | spiral | |

spiral vol.49

誕生日の前日



予定通り、友達Mと飲みに行った



31歳最後の夜に、乾杯しよう・・そう言いながら
2人でいっぱい美味しいもの食べて。



ワインで乾杯して。



思いっきり笑って。



少し酔ったアタシがいた



家に着くと、夜の11時をまわっていて。



31歳最後の夜に、いろんな想いを抱えながら
部屋の窓をあけた



ほろ酔いに、夜風が心地よかった



今更、誕生日なんて嬉しくもないけれど。



過ぎ去ろうとしている年にサヨナラを告げる
ことは、なんだか特別なことのように感じた



そして電話の着信音が鳴り響く



あの人からだった



「仕事が終ったから、今から会えない?」



そう言われ、躊躇した



ほろ酔いとはいえ、自分が何をやっているのか
わからないほど酔っていたわけじゃなかった。



今酔っていて、お酒臭いから・・と
適当な断り文句を並べていると、あの人が言った



「この前言ってた話をしよう。」



それは正社員の話だった。



結局、会いたいという気持ちに、会う理由が見つかって
楽になったアタシがいた



それは皮肉にも、自分の誕生日前夜だったけれど。



あの人と会う日を、出来る限り少なくしようと思って
予定を入れてみたけれど。



結局アタシたちが会えるのは、あの人の仕事帰りだけ。



夜中だけだというコトに・・・気づいた。



そんな当たり前のコトに・・今頃気づくアタシも
どーかしてる。



太陽の下、普通にデートなんて出来るわけもないんだと
落胆している自分を知った時



普通のデートが出来ることを、どこか期待していた
自分に苦笑した。



一緒にご飯を食べたり、映画を観たり。



はしゃぎながら手を繋いでデートスポットに行ったり。



叶わない夢は・・一緒にいようと決めた今でさえも
結局叶わない夢でしかなく。



自分が日陰の女である事実に、寂しさを憶えた。



夜中まで予定を埋められなかったアタシは、自分の
意志の弱さを改めて痛感し・・



そして・・・。



誕生日にあの人と一緒にいられるのは、これが
最初で最後になる。



そう思いながら、待ち合わせの場所へと向かった



つづく

2007-10-15 | spiral | |

spiral vol.48

暫くして、あの人からメールが届いた



それは今までで、一番長いメールだった



-やっとA部長もその気になったか!?w

オレとしては・・・

あんまり事務所での仕事内容や雰囲気はよく
分からないけど、最近、事務所へ行って思う
事は、五十嵐さんはみんなに慕われてるなぁってw

それに、仕事も出来て、やる事早いし、そりゃ
引き抜かれるよw

って思う!

五十嵐さんが何故、正社員じゃなく派遣社員という
形で仕事をしてるか分からないけど、損得は
オレより五十嵐さんのほうが知ってるよねw

ゆっくりじっくり考えて、答え出して下さいw

と!!w

りーちゃんとオレの仲は、会社とは別世界の
話w

今は仲良しでいるけど、いつかケンカをして
お互いの存在を嫌になるかもしれない.

そこは大人同士メリハリをつけて、やっていこう♪

オレとしては、正社員大歓迎wだよw-




メールを読み終えて・・



肩の力が抜けるのを感じた



そんな答えをくれるなんて、思ってもみなかった。



アタシにとっての損得を考えて、答えを出せばいい。

オレたちの関係が原因で悩む必要はない。



そう解釈したアタシがいた。



それが本心じゃなかったとしても。



それでも、アタシを傷つけないように、この答えを
アタシにくれるのなら、それで充分だと思った。



あとは自分のコトだけを、考えて決断すればいいのだから。



そして、アタシの返事を待たずに、もう1通メールが届いた



-やっぱり・・さっきのメールだけじゃ物足りない!

伝えたいことを文にするのは難しいし、もっと色々
聞いてみたい事もある。

また、ゆっくりお話しようw-




いつかケンカをしてお互いの存在を嫌になる日が
来るんだろうか。



それでもアタシは思っていた。



アタシが嫌われることはあったとしても。



アタシがあの人を嫌いになることはないだろう・・と。



付き合って、嫌いになって別れた人もいた。



好きかな・・と思って付き合ってみても、なんだか
違うな・・と感じて、冷めた人もいた。



それでも。



はじめて好きになった男を、今でも嫌いじゃないように。



大介のことを、今でも嫌いじゃないように。



あの人のことを嫌いになることなんて・・ないような気がした。



つづく

2007-10-13 | spiral | |

spiral vol.47

一週間後、やっとあの人に伝えることができた



あの人が言ってくれたおかげだった。



-そーいえば、先週の月曜日に話したいコトあって・・って
言ってたの、どーなった?

話してくれるの待ってるんだけどw

落ち着いたら話してくれるんだよね!?
待ってるからねw

でも1人で悩んでると、ハゲちゃうぞw-




アタシが自分から話すのを、1週間何も聞かずに
待っててくれた。



そーいう優しさが、嬉しかった。



-じゃあハゲる前に言うよ><

実はね、この前A部長に呼び出されたの。

それでね、正社員にならないか!?って言われたの。

まさか、そんなコト言われるとは思ってもみなくて。

ゆっくり考えればいいよって言ってくれたから、いっぱい
悩むことにしたw

それだけだよ♪-




あの人が困ったらどうしよう。



そう思うと、正社員になりたい・・とは言えない
アタシがいて。



とりあえず、まだ悩んでいることだけを
出来る限り軽く伝えた。



あの人からのメールを待つ間、怖かった



今頃何を考えてるんだろう。



アタシは・・何を言われるんだろう。



派遣契約が終ると思ったから、口説いたのに・・
失敗したなぁ・・なんて思ってる?



正社員になるなら、どう終ろうって考えてる?



今ものすごく困ってる?



別れの時期はどーする?なんて聞いてくる?



そしてアタシは・・どう答えるつもり?



そんなコトを考えだしたなら、キリがなかった。



つづく

2007-10-12 | spiral | |

spiral vol.46

あの人に伝えようと思った



相談じゃなく・・ただ事実を伝えようと思った



でも、早番のあの人からは「おやすみ」のメールが
既に届いていた



-実は、聞いてもらいたい話があってね・・。

また今度ゆっくり聞いてw

おやすみ♪-



-まだ起きてるよw

どーした?-



-いろいろあって、ちょっと困惑しちゃってw

でも・・また今度でいいよw

落ち着いたら話すねw-




次の日も言うタイミングを失ったアタシ



また次の日も。



結局あの人に、どう話を切り出していいのかわからず
タイミングを逃し続けていた。



そんな毎日の中で、突然あの人からこう聞かれた



-りーちゃんの理想の上司ってどんな人?-



そう聞かれた時、アタシは思い出していた。
はじめて2人で会った日、あの人が言った言葉を。



「オレはリーダーになんてなりたくなかった・・。
オレは・・リーダーになるような器じゃないんだ」




それを聞いた夜、アタシは大介と付き合っていた頃を
思い出していた



大介は、向上心があって。



アタシの中にもあった向上心。



お互いの向上心をぶつけあい、刺激しあいながら
一緒に仕事を頑張ってきた。



そんな男がアタシの理想であり、お互いに成長できる
関係だという居心地の良ささえ感じていた。



あの人とは・・・まるで違う。



課長をやってみないか?との打診さえ、「イヤです!」と平気で
言ってのける人で。



向上心なんて微塵も感じられなかった。



なのに、自信なさげに言うあの人を、愛しいと思った
アタシがいた



凹みながらも、置かれた立場で、努力をしようとしている
あの人を、身近に感じたせいなんだろう。



無理して頑張ったりしなくてもいい・・そんな、また違った
居心地のよさを感じていたのかもしれない。



ソコにあるのは、刺激しあえる心地よさじゃなく・・・
ただの女でいられる心地よさだった。



それに気づいた時、まるで大介への想いから開放された
ような・・そんな感覚を味わったアタシがいた。



長年の呪縛から開放されたような・・・。



それを言葉で表現することは、とても難しく。



きっとアタシにしかわからない感覚なのかもしれない。



いつまで・・こんなふうにあの人の話を聞いて
いられるんだろう。



いつか訪れる別れを考えるだけで、寂しさが込み上げた



そんな寂しさを埋めるかのように、週末の予定を入れる
アタシがいて。



気づけば、9月全ての週末が埋め尽くされていた。



あの人の名前は、どこにもない。



それにホッとするアタシがいた。



アタシたちは、一緒にいようと決めたけれど。



ずっと一緒にいられるわけじゃない。



会う日は出来る限り少なく。



いづれお互いの気持ちも、冷めていくだろう。



いつか・・別れる時のために。



アタシは自分自身の心を守りたいと思った。



今、離れることが出来ないのなら。



その時期を待てばいい。



ゆっくりゆっくり・・時間をかけてでも。



今出来ること。



これがアタシの精一杯だった。



つづく

2007-10-11 | spiral | |

spiral vol.45

派遣契約で更新させたほうが、経費削減になるはずの
アタシなのに。



こんな良い話はない。



なにより・・Bさんの仕事には、以前から興味を抱いていた。



他部署や客先からの情報を収集し、全体をコントロールし、
策を練り、日々奮闘しているBさん



以前、Bさんからも言われたことがあった



「五十嵐さんは、経理の仕事よりも、こーいう仕事のほうが
向いてると思うんだよなぁ」と。



アタシもそう感じていた。



四方八方にアンテナを張り巡らせ、頭をフル回転させ
臨機応変に機転をきかせ、策を練る・・



そんな仕事が、もっとも得意とする分野でもあった



もう二度と、そんな仕事をすることもないかもしれない。



そう諦めの気持ちもあっただけに、ワクワクする気持ちさえ
生まれていた



それでも・・。



がむしゃらに頑張ってきたことが、評価された喜びを感じる
一方で、迷いも生まれている



あの人は・・。



後腐れなく、別れることができるのは派遣のメリットだと
考えているだろう。



そんなアタシが・・正社員として会社に残ると言ったなら
あの人は困るんじゃないか・・。



そう考えるだけで、たまらない。



ここ最近、めまぐるしいほどに考えるコトが多すぎる



結婚してる男と、幸せになれるかもしれない男



その選択で、自分の気持ちに正直になることを選んだ



自分の気持ちを抑え、友達を続けていく道
たとえ傷ついても、会いに行く道



その選択で、一緒にいることを選んだ。



そして今、また訪れた別れ道



例え傷ついても、あの人の傍で、
安定した やりがいある仕事を選ぶ道



あの人から離れ、仕事も捨て。
再び1から就職先を探す道



少し歩いた先にすぐ訪れる2つの道は さらに険しい道となり
またアタシを苦しめる



アタシは・・今の契約を終えたら、やりがいある仕事を
探そうと考えていた。



やりがいある仕事が見つからなくても、不安な将来に
正社員という形で、安定を求める気持ちだって強かった。



今なら、その両方が手にいれられる。



なのに・・それを捨てる道を・・あの人のことを
考えているアタシがいる。



いつか終りが来る2人が、終った後も傍にいなきゃ
いけない現実を想像して、決断できないでいるアタシがいる。



アタシの選択は、きっと間違いだらけ。



1つ選択を間違えた先に、続いていくスパイラル



どうしたら・・・。



どんどん・・わからなくなっていく。



クールに・・仕事をこなす自信はある。



仕事は仕事だと・・割り切れるアタシがいることも、知っている。



でも・・その裏の心がズタボロになっている自分も
知っている



それに耐えられる強さが・・アタシにある?



そして・・あの人はそれを受け入れてくれるだろうか・・。



つづく

2007-10-10 | spiral | |

spiral vol.44

仕事中に総務部長から呼び出された



「ちょっと会議室来てくれる?」



「はい」



あの人と一緒にいよう・・・

そう決めた3日後のことだった




なんで、改まって会議室へ?



一瞬そう思ったものの、話の内容は、容易に想像できた



アタシの派遣契約は、来年の3月末をもって終る。



そのことについて、具体的に話をしていないから
たぶんその話だろう



「五十嵐さんの前任者Aさんが、4月から復帰するんだよ」



「はい。その話はAさんから聞いています」



「五十嵐さんの契約は、3月末までということに
なってるんだけどね・・」



「承知してます」



「その先も・・ずっとこの会社に居る気はないか?」



「4月以降も・・・契約更新ということですか?」



「そーじゃなくてね。・・・・正社員にならないか?」



「え・・?」



「社長や管理職たちが、五十嵐さんの仕事ぶりを評価していてね。
もちろん、それはボクも同じだ。」



「ありがとうございます。」



「どちらにしても3月末までは契約がある。
その後で・・ということになるんだけどね。」



「でも・・」



「なにか不安がある?」



「アタシはもうすぐ32歳です。結婚して出産する可能性も
ゼロではありません。

そうなれば・・必ずアタシは会社に迷惑をかけてしまう・・」




「大丈夫。この会社は育児休暇の体制が整ってる。そこは
システムを充分利用して、復帰すればいい。」



「もし・・もしも正社員になったとして。
業務内容は、今と変わりなく経理の仕事ですか?」




「いや・・。それも暫くは手伝ってもらうつもりだけど。

実は全体をコントロールしてるBさんの仕事を手伝ってもら
いたいんだ。

あと2~3年経てば、Bさんは定年退職。その後任で・・と考えてる。

大変な仕事だけど、五十嵐さんなら大丈夫だと思ってるよ」




「すみません。即答・・できません。少し考えさせてください。
いつまでにお返事をすればいいですか?」




「どちらにしても、3月末までは居てもらうわけだし。
それまでゆっくり考えて、答えを出してくれればいいから」



「ありがとうございます」



頭がクラクラした。



8月に入って、3度目の別れ道が訪れたことに。



つづく

2007-10-09 | spiral | |

spiral vol.43

ここで強引に言ってくれたなら、飛び込むアタシが
いることもわかっていた。



でも、今答えを出すのは、あの人じゃなく・・アタシだった。



あの人はアタシが出す答えを待っている。



強引じゃなく、ただ言いたいコトだけを伝え・・
最終的な決定権をアタシに与えてくれている



わかってる。



それが、あの人の優しさであり、ズルさだということも。



そしてアタシは・・



自分の気持ちもわかってる。



あの人の言葉が全て嘘だったとしても
傍にいたい想いを抱えて、今日会いに来たことを。



それでも、簡単にそれを口に出来ないアタシがいた



口にしたなら・・はじまってしまう・・。



関係ない話で逃げていたアタシに、あの人が言った


「答えは・・今日出そう」と。



アタシは・・遂に口にしてしまった。



「アタシの気持ちは、スグに変わるかもしれないけど
今は・・一緒にいたいと思ってる・・」




「わかった。それでいいよ。」



「アタシ最初ね、陸奥さんのコトがイヤだった。
でも・・アタシ、今は陸奥さんが好きだよ」




出来る限り軽く言った。



軽くでも、笑ってでも。



自分の想いを伝えておきたかった。



あの人は、嬉しそうに言った



「はじめて、ちゃんと言ってくれたね。

この前は、オレが一方的だったし・・。

会社で会うリオは、本当にクールな女で。
でも、プライベートで会うリオは、全然違ってて・


オレはどっちのリオも好きで。

だから時間かけて、がんばって口説いて・・。

・・・やっと好きって言ってくれた・・」




そう言いながら、アタシを優しく抱き寄せた



オレに落ちるな・・そう言いながらも、好きと言えば
喜ぶあの人は、矛盾だらけ。



それでも、アタシは気づかないフリをした。



仕事中のクールな顔も、プライベートのアタシも。



今まで好きになった男の中で、両方知っているのは、
あの人だけだった



それでもまだ、本当のアタシを知らない あの人がいる。



アタシが、どれだけあの人を好きなのかを・・知らない
あの人がいる。



何度も何度も キスをしながら 言った



「オレはリオを抱きたいと思ってるけど、抱いたら
もう会えない気がして。

だから、オレはこーやってキスしてるだけでいいや」




あの人のセリフ1つ1つに、理性と本能が見え隠れする



それでも、アタシを抱こうとはしなかった。



関係ない会社の話で盛り上がりながら、全然関係ない
くだらない話をしながら・・・時々キスをする



あっという間に3時間が経過し、夜中の2時を過ぎていた



期間限定の恋



アタシに彼氏ができるまで。



出来なくても・・アタシの派遣契約が終る3月末まで。



それだけをアタシから約束した。



あの人は、黙ってうなずいた。



「早く・・彼氏つくれよ」



アタシと目を合わせずに言った、あの人の言葉が
切なかった



「今度はいつ会える?」



そう聞きたい気持ちを抑え、家に帰った。



未来のないアタシたちに、約束なんて必要ない。



そう思いながら。



つづく

2007-10-08 | spiral | |

spiral vol.42

震える足を気づかれないよう、必死になる一方で
冷静さを装いながら話を続けた



「アタシもいろいろ考えてて。

現実逃避って言ってたけど、アタシもだな・・なんて
思ったりして。

上手く言えないんだけど・・・」




「うん・・わかるよ。」



「アタシ、本当に不倫したことないんだよ。陸奥さんは
あるの?」




「オレもないよ。オレ、独身の頃も浮気したことないし・・」



ちょっと疑ったけど、話を聞いているうちに、それが事実だと
気づいた。



「リオが彼氏を作ろう・・っていう気持ちに、オレが邪魔に
なるんだったら、そう言ってほしい」




「邪魔だよ。邪魔に決まってる。でも・・。」



・・・・。



「でも・・今は一緒にいたいって気持ちもあって。決められない。
ねぇ、陸奥さんはどうしたい?」




「オレには決められない。
オレがリオと一緒にいたいって思ってるのは、わかるだろ?

でも、それじゃダメだって・・オレも思ってる。
オレの中にもあるんだよ。理性と本能がさ」




じゃあ、何で会いたい・・なんて言ったのよ。



なんで毎日メールしたりしたのよ。



なんで口説いたりしたのよ。



そう思いながら、それを口に出来ないアタシがいた。



「そろそろ帰ろっか」



「またオレと、会ってくれるの?」



「・・わかんない。今日で最後にしなきゃって思いがあって。
今は答えがでない」




「まだ・・帰りたくない」



「じゃあ、もう少しお喋りしよう。」



そう言いながら、アタシたちは、ただ関係ない話に
花をさかせた。



ただ関係ない話で場をもたせながら・・
頭の中では違うことを考えていた



きっとお互いに・・・。



つづく

2007-10-07 | spiral | |

spiral vol.41

あの人の仕事が終わり



電話で言われた言葉は「会いたい」の言葉だった



強引じゃなく。



ワガママを言うわけでもなく。



ただ会いたい・・とだけ言い、アタシの反応を
探っているあの人がいた。



アタシは、会うことを決めた。



それがアタシの意志の弱さだった



ただ・・あの人に会いたかった。




近くの公園に車を止め、2人でいろいろ話をした



そしてあの人が言った


「オレはリオに落ちたけど、リオはオレに落ちるな」


「どーいうこと?」



いつになくマジメな顔で、あの人が言った



そんなマジメな顔を見たのは、はじめてだった。



「オレは、リオのことが好きだけど、オレは
家族を壊せない。

オレがリオに振られるのはいいけど、リオが落ちたら
家族を壊せないオレは、いつかリオを振らなきゃいけない。

それは絶対にイヤなんだ」




ズルイ。そんなのズルイよ。



オレは家族を壊すつもりはないけど、オマエにはオレのことを
好きでいてほしい。



本当はそう言いたいんでしょ?



でも・・言えないから、そう言ってるんでしょ?



そのセリフを言ってまで、アタシの人生に責任を持ちたくない
から、そう言ってるんでしょ?



わかってる。



アタシが・・そんなこと気づかないと思った?



そんなバカな女だと思ってるの?



そんなこと・・気づいてるんだよ?



わかってるからこそ、あえて聞きたくなかった言葉



それを、あえて聞かされた時の感情は、言葉にできない



平常心を保つことに必死だった



でも、アタシの足は震えていた



肝心なところで思わせぶりな態度をとらないところ
に、あの人なりの優しさとマジメさを感じていたけれど。



それでも聞きたくなんかなかった。



つづく

2007-10-06 | spiral | |

spiral vol.40

仕事が終わり・・・

ただ、なんとなくビールを口にした



現実逃避だったかもしれない



この会社に入って間もない頃



みんながみんな口を揃えたように、聞いてくる言葉があった



「五十嵐さんは、結婚してるの?彼氏いるの?」



聞かれる度に、嫌な思いを募らせていた毎日



そんなセリフに、最近変化が訪れた



仕事中・・配達のおじさんが言う



「おじさんの知り合いにな、結婚してない男がいるん
だけど会ってみない?」



また仕事中・・食堂のおばーちゃんが言う



「五十嵐さん結婚してないんだったねぇ。
アタシの知り合いに、いい人いるんだけど会って
みてくれない?」



帰ろうとした時、現場のおじさんが言う



「オレの息子が彼女いなくてね。
どーだ?会ってみないか?」



そして・・家に帰れば母が言う



「○○の叔母さん憶えてる?
お見合いの話を持ってきてくれたんだけど・・」




家に居ても。



会社に居ても。



なぜこんなに多くの人に
焦らされなければならないんだろう。



漠然とした将来への不安がある中で、焦りがないと言えば
嘘になる。



でももう・・うんざりだ。



周りが言う、おせっかいの言葉も。



抱いてしまった あの人への感情も。



この現実から逃れて、どこか遠くへ行きたい



誰も知らない土地で・・・1人になりたい。



そんなふうに気が滅入る毎日



あの人が言った「現実逃避」という言葉



アタシはあの人を責められない



いつかアタシだって結婚したい。



両親を安心させてあげたい。



そう想う気持ちはありながら、それが出来ない
ことへの焦り。



日々葛藤しながらも、全てから逃げだして
ありのままのアタシでいたい。



全てを忘れて、ただあの人に会いたかった。



会ってしまったなら、何かが壊れていくんだろう。



アタシの未来?



それとも・・心?



あの人に会うのが怖い。



でも、あの人が離れていくのも怖い。



もう何もかもが・・・怖い。



頭の中で渦巻く想いを抱えながら、あの人からの
電話を待っていた。



つづく

2007-10-05 | spiral | |

spiral vol.39

メールの返事に迷い続け、寝る直前にメールを
送信した。



あの人が言った「現実逃避」という言葉。



それを蒸し返す気にもなれなかったアタシには
これ以外の言葉が見つからなかった



これが遠まわしの断りメールであることを
気づいてほしい。



そう思いメールを送信した



-昨日は寝ちゃったわけじゃないんだけど
メールの返事しなくてゴメンナサイ

いろいろ考えちゃって。

ただ・・考えちゃって。

ゴメンm(_ _)m

結局は寝ちゃった




あの人から暫く後に返事が届いた



-土曜日に会う、会わないの答えはもー
イイよ(汗

さっきのメールに答え在ったかもしれないけど。

とりあえず、明日仕事終ったら電話してイィかな?-




あの人は、アタシが書いた「ゴメンm(_ _)m」が
答えだと気づいてくれたんだろう



何を考えているのかは、わからない。



でも、言いたいことはハッキリ伝えながらも
無理強いしない、あの人



そんな優しさが好きだと、改めて感じていた



でもアタシは不安になっていた。



電話で何を言おうとしてるの?

そう思ったからだった。



電話かけてくる時は、いつも何も言わずにかけてくるクセに。



改まって電話していいかな?・・なんて、何か言おうと
してるの?



そう思ったら、聴くのが怖かった



今のアタシは、自分の気持ちを抑えることに、限界を
感じていて。



心のどこかで思ってる



自分の気持ちに素直になって、飛び込みたい。



許されないとわかっていても、今は一緒にいたい。



ただ会いたくて。



もうブレーキをかける自信がない。



そんな今だからこそ



「会いたい」そう電話で言われるコトを、怖いと思った。



でも、あの人が言うかもしれない言葉。



それは、あの人が言う「さよなら」の言葉。



アタシが言えないでいる「さよなら」を。



「会いたい」そういわれるのも怖い



でも、「さよなら」を言われるほうが、もっと怖い
と気づいたアタシがいた。



いつの間にか曖昧だった理由は・・明確な理由となり
アタシを更に苦しめ続けた



なんで・・ただの友達でいられなかった?



友達でいられたなら、きっといい友達になれたはずなのに。



なんでアタシは・・あの人を好きになった?



つづく

2007-10-04 | spiral | |

spiral vol.38

静かな食堂には、ただ水の流れる音だけが
響いていた



イスを引いて座る音が聞こえる



あの人がTVをつけてくれたおかげで、静かだった食堂
にニュースキャスターの声が響き渡る



水の音が掻き消されたことに、ホッとした。



暫くして、Aおばーちゃんが戻ってきた


そして、あの人と話はじめた。


「お疲れ様」


「あれ?流し台にいたんじゃないの?
てっきりAさんがいると思ってたけど・・」



「あぁ・・五十嵐さんに手伝ってもらってるんだよw
でも誰にも内緒だよw
だってバレたら・・どーのこーの(愚痴)」



なんで言うの?



全然内緒にしてないじゃん・・・。



そしてAおばーちゃんが扉を開け、アタシに言う



「あとはタッパに梅干を詰める仕事があるんだけどね、
もう陸奥さんにバレちゃったし、食堂でやろうw」



あの人と顔を合わせたくなかったアタシは小声で言った



「ここじゃダメ?」



「えっ?そーなの?べつにいいけども・・・」



人の気配を感じて振り返ると、あの人が立っていた。



その時のあの人の顔が、なんだか不安げに見えた



アタシは、精一杯の笑顔で言った


「あっwお疲れ様ですw」




その瞬間、あの人の顔が、笑顔に変わった



「お疲れーw」



あの人の笑顔を見届けた後、アタシは再び洗い物に視線を
落とした。



これ以上の笑顔も会話も、今のアタシにはムリだった。



あの人が食堂から立ち去った後、またメールが届いた


-やっぱりイィ娘だねwりーちゃんって♪

なんなら顔出して脅かしてくれればヨカッタ
のにーw



ご苦労様ですw-




あの人は、きっと単細胞で、鈍感な男なんだと思った



アタシが笑っただけで、何にもなかったことに
早変わりだ。



それに・・・



アタシはイィ子じゃない。



家に帰りたくなかった。



ただ・・それだけだ。




アタシは家に帰った後で、メールの返事に迷っていた。



そして現実逃避とも言うべく、いろいろ考えていた。



アタシの中で腑に落ちないところ。



ただそれだけを・・・意味もなく必死に考えていた。



どう考えても寝てないアタシに、昨日は寝ちゃったなー!
って言うセリフ。



なんなら顔出して脅かしてくれればヨカッタのに-w
っていう無邪気セリフ。



なのに、アタシを見た時の あの不安そうな顔



あの人は・・鈍感でバカな男を演じてる?



バカな男を演じているのだとしたら
全ての・・つじつまが合う



でも・・それは・・なんのために?



そんなことを考えること自体、無意味だと知りながら。



もちろん、答えなんて必要ない。



ただ、考えるだけでよかった。



ただ必死に考えることで、冷静になろうとするアタシがいる。



ただ・・それだけでよかった。




つづく

2007-10-03 | spiral | |

spiral vol.37

-昨日は寝ちゃったなー!!

まぁ、おととい寝るの遅かったもんねw
しょうがないよw

昨日、返信が帰ってこなかったから、家に帰ってから
考えてみたの。

でねw色々考えたけど、りーちゃんに「会いたい」の
理由はナイって思った。

確かに、昨日返信したメールは事実だけど、オレは
直球勝負の男だからw
ただ単に、そして素直に心から「会いたい」って思ってる。

何処かに行きたい♪とか、何かしたい♪とかはなくて

ただ「会いたい」それだけ・・・・-




もう、ほっといてよ。



そう・・心が叫んでた



昨日は寝ちゃったなー!・・なんて言いながらも
本当は寝てないことも気づいてるんでしょ?



だって、最後のメールが届くまでの間、5分ごとに
メールは交わされていたのだから。



でも・・そんなことどーでもいい。


言ったコトは事実で。



アタシが、その言葉で傷ついたのも事実で。



それなのに・・・。



傷ついたハズなのに・・。



まだ心のどこかで会いたいと思ってるアタシがいる。



理由はない・・というあの人



理由が欲しい・・そう想うアタシ



理由とキッカケがなければ、いつだって身動きとれない。



アタシの行動の裏にある理由



今は・・それさえも曖昧で。



ただ「好き」って理由だけじゃ、身動きとれない。



だからアタシは、あの人が作る「キッカケ」を蹴散らしている




でも・・もう、あの人へメールはしない。



あの人の言葉も・・信じない。




食器を洗いながら・・そう自分に言い聞かせていた。



その時だった。



階段を上ってくる足音が聞こえた



そして咳払い。



それが・・・あの人だと気づいた。



遅番のあの人は、少し遅れて夕食を食べに来たようだった。



なんで今日に限って、遅れてくるの?



食堂と、奥の流し台



そこにあるのは、たった1枚の薄い壁



流し台は一畳分の広さしかなく。



狭い場所で、息を押し殺していたアタシがいた。



気づかれたくない・・・。



ただ、そう願いながら。



つづく

2007-10-02 | spiral | |

spiral vol.36

翌朝、目が覚めたアタシは、いつもよりメークに
時間をかけた。



髪型も変えて、気分一新



無理やりテンション上げて、出社した



午後からあの人が出社してくる。



あの人のことを考えるだけで、泣きそうになる。



でも、あの人に、そんな姿を見せたくない。



それがアタシのプライドだった。




仕事中、ある社員Bさんに声をかけられた



「引っ越して住所変更になったので、手続きを
お願いしたいんだけどw」




手続きをするために、1冊のファイルを手にとった



被保険者ファイル



住所を書き換えようと、Bさんのページを探した



そして目に留まった1枚のページ




あの人のページだった




同じページに書かれた奥さんの名前



子供の名前



そして・・同居につけられた○印




あの人の守る家族が、同じページに刻まれていた



見せつけられた現実に
心臓がえぐられたような気分になった。



こんなもの見たくなかった・・・。




家に帰って、1人になりたくない。



だからって会社にも居たくない。



どうしたら・・・。




帰ろうとした時、食堂のAおばーちゃんに話しかけられた。



おばーちゃんの愚痴は止まらない。



いつものことだったけれど、そんな愚痴さえも
今日は気が紛れた



食堂はAおばーちゃんと、Bおばーちゃんがいて。
お互いにとても仲が悪い。



特に、Aおばーちゃんは要領が悪く、いつもBおばーちゃんに
怒られてばかり。



本当なら5時で終る仕事なのに、自分が遅いせいだから・・と
残業もカウントせず、がんばるAおばーちゃん。



そんなAおばーちゃんに、アタシはつい言ってしまった



「今日アタシ暇だから、手伝うよw」



「そんな・・手伝ってもらった事、Bさんにバレたら、何言われるか
わからないよ・・」



「大丈夫w食器洗うだけなら、ドア閉めておけば誰にも
バレないってw

それに、アタシ今日は家に帰りたくない気分だからさw
やることあるのは助かるんだよねw」





「そう?ほんとにいつも悪いねぇ。」



なんでもよかった。


何も考えず、気を紛らわせることさえ出来るなら。




Aおばーちゃんが、お風呂掃除&洗濯をしている間
1人、食堂の隅にある流し台で、大量の食器を洗っていた。



気が紛れる・・そう思いながら。



おばーちゃんから、食器を10分間ハイターにつけるよう
言われ、ボーッとしながら待っていた



そしてまた・・あの人のことを考えている自分に
苦笑した



その時、ポケットの中で携帯が震えた



あの人からのメールだった。



つづく

2007-10-01 | spiral | |

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